Chapter2-3 カメラの基本 ISO感度とは

カメラの基本

今日もご覧いただきありがとうございます。

今回は、カメラの基本3つ目、ISO感度について解説してきます
今回で、絞り、シャッタースピード、ISO感度の3台基礎は終了です。

ISO感度とは

まずは読み方の説明から
イソカンドと読みます。もっぱらカメラ業界では感度とだけ言う人が多いです。

感度ISO感度は、撮像素子の感度のことで、感度が上がれば上がるほど、微弱な光でも画像に残すことができます。
無線をやっている人がいれば、スケルチレベルの変更と同じようなものです。

これまでの、絞り、シャッタースピードは、撮像素子に当たる光の量を時間や通れる幅といった、物理的に変えていましたが、ISO感度の変更は、物理的なものでなく、電気的なものです

これが実物の撮像素子
ここに当たった光が電気信号に置き換えられる。

ISO感度のかえ方
ISO感度のかえ方は、カメラのISOボタンを押しながら、コマンドダイヤルをくるくる回すと、変更できます。
エントリー機では、ISOボタンがなく、撮影メニューから選択する場合もあります。

ISO感度で何が変わる?

ISO感度は、数値が大きいほど、微弱な光をも取り込めます。

段階は
ISO100,ISO200,ISO400,ISO800,ISO1600,ISO3200,ISO6400,ISO12800,ISO25600
と、倍になるごとに1段明るくなり、1/2になると一段暗くなります

ISO感度は、単に倍にすれば1段変わるので覚えやすいですが、シャッタースピードや絞りと違って、数値が大きくなるほど明るくなるので注意です!

ISO感度は、カメラにもよりますが、ISO100~ISO51200程度まで
幅広く変えられます。(高級機や、高感度機ではISO64や、ISO102400まで対応しているのもあります)

ここまで聞くと、ISO感度って万能じゃん!と思われるかもしれません。
しかし、ISO感度を高くしすぎると、画像にノイズが生まれ、クリアな描写ではなくなってしまうという弱点があります。これは、取り込んだ光を電気的に増幅しているためで、感度が低い時には目立たなかった小さなノイズが、増幅することで目立ってきてしまうことが原因です。

このようなノイズを高感度ノイズといいます

かなり拡大しないとわかりづらいのですが、ISO100時に比べて、ISO51200では、特にベルト部分に強いノイズが乗っていることをおわかりいただけますでしょうか

では、ISO感度は上げないほうがいいの?
と思われるかもしれませんが、ISO感度の調整には、それを補って余りある、メリットがあります。

それは、作画表現に影響を与えず画像の明るさを変えることができることです
どういうことかというと、絞りを変えると、被写界深度が変わり、ボケ味に影響が出てしまいます。
シャッタースピードを変えると、ハイスピードシャッターで高速移動被写体を止められなかったり、スローシャッターで逆に水の流れなどを表現できなくなったりします。

しかしISO感度は、そういった表現には一切影響を与えないのです。

どうでしょうか、ISO感度を変えても、表現はすべて一緒ですよね!

ISO感度はどれくらいまで上げても大丈夫?

よく皆さんから聞かれるのが、ISO感度はどれくらいまで上げても大丈夫なのか?
という質問です。

はっきり言って、明確な答えはありません
カメラマンが、何を求めるかです。
例えば、高感度ノイズの影響をもっとも感じてしまうのが、なんといっても大人数の集合写真です。
今までに最大650人が一度に入る集合写真を撮ったことがありますが、これはどれだけISOを上げてもISO400までが限界です。(Nikon Z6Ⅱ 常用最大感度51200の場合)
そのほか、生物の写真、動物・植物等、有機物の撮影時はISOは低め、高くても1600程度までが、実用上の限界だと思います。

一方、無機物の写真は、そんなにノイズが目立たない場合が多いです。

また、夜の空港や、キャンプファイヤーなど、ISO感度を上げないとシャッタースピードがあげられないといった場合は、シャッタースピードと高感度ノイズのバランスが取れる点を探りながら撮影します。
トワイライトタイムの飛行機を、ISO12800で撮影し高評価だったこともあります。

自分の撮る被写体が、どれくらいまでのISO感度に耐えられるか、自分で繰り返し撮って感覚を養ってみるといいと思います。

実践 ISO感度設定の考え方

実際に撮影するとき、どのようにISO感度を選べばいいか

①まず基本は、自分の撮りたい表現を優先し、絞りなりを第一優先で考えます。
②次に、手振れや被写体ブレ、逆に流し撮りなど、必要なシャッタースピードの範囲を考えます。
(手振れを止めるだけなら、SS1/60程度あれば十分です)
③その状態で、適正露出になるよう、ISO感度を設定します

ISO感度設定をオートにして、①~②のみ考え、③はカメラに考えてもらうというやり方もおすすめです。
④適正露出時のISO感度を確認して、ノイズ的にこの感度で撮ってOKか確認する。
⑤撮影orISO感度を下げなければいけないなら、シャッタースピードを遅くするか、F値を下げる

このように、絞り・シャッタースピード・ISO感度は相関関係なので、
どれかを上げればどれかを下げなければならない、といった具合に、カメラマン永遠のジレンマなのです

ISO感度の目安(筆者の体感)

絞りはF4~5.6 SSは最低1/125程度とした場合
大人数の集合写真…ISO100~400
10人程度までの集合写真…ISO100~800
ポートレート…表現次第ですが、ISO100~1600
ピアノ発表会やコンサートホール…ISO800~3200
屋内スポーツ(暗めの体育館)…ISO800~6400
レストランのキャンドル灯り下…ISO1600~12800
焚火の灯りのみでの撮影…ISO12800~25600

今回で、絞り、シャッタースピード、ISO感度についてマスターしましたね!
次回は構図について説明します。

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