なぜ仕組みを知る必要があるか
まずはじめは、カメラの仕組みについて解説します
仕組みなんて知らなくても、今のカメラはレリーズボタンを押せばそれなりの写真は撮れます。
そういう写真を、プロの中では「被写体に撮らされてる写真」と言ったりします。
でも、いまこのブログを読んでくださっている方は、ボタンを押せば撮れる写真じゃなく、自分の意図した表現で写真を撮る「主体的に被写体を撮る」ことができるようになりたいはずです。
そんな時、カメラの構造や仕組みを覚えておくと、感性だけでなく、頭で理解して写真を撮れるようになります。
例えば、この写真、左の写真は、ただボタンを押して撮っただけの写真です
薄暗い室内での撮影なので、カメラが必死に明るく写そうと、絞りを開け、シャッタースピードを下げています。そうすると、フロートの部分は白とびしてアイスクリームとの境界がわからなくなってしまいますし、絞りが開いているので、ガラスのふちにピントを合わせると、グラスの脚の部分はボケています。そして何より、シャッタースピードが遅いため、手振れをしてしまっています。
右の写真は、意図して撮った写真です。
普通のお好み焼き屋さんのメロンフロートなのに、高級感が感じられませんか?
アイスクリームの境界や色もはっきり出ていますし、メロンソーダ自体も透き通って見えます。
ボケ味も、違和感のない自然なボケ方になっていると思います。
もちろん、写真に正解はありません。「右の写真は背景が暗いから好きじゃない」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「自分の意図した表現をする」ということが、写真撮影にとって一番大事なことです。
そのためには、カメラの仕組みを理解して、使いこなすことが、一番の近道です。
カメラの基本構造(ミラーレス)
ここでは、デジタルカメラ、それも今後の主流であるミラーレスカメラの基本構造を解説します
普段私たちが見ているものは、すべて光という電磁波で、赤緑青(RGB)の三原色から成っています。
たとえば光が葉っぱに当たれば、緑色の光を多く反射するので緑色に見えるというわけです。
デジタルカメラというのは、この「光の量を電気信号に変換する」装置です。
この、電気信号に変換する、カメラの核ともいえる部分を「撮像素子」(イメージセンサー)といいます。カメラで最も大切な部分ですので、ぜひ覚えてください。
まず、外からの光は、レンズ群を通り、途中で絞りによって光の通れる幅が限定されます。
絞りを通った光は、シャッターにあたります。
シャッターを切ると、シャッタースピードに応じて、シャッターが開き、撮像素子に光が当たります。
撮像素子に当たった光は、RGBそれぞれの電気信号に変換され、画像処理エンジンへ送られます。
そこで目で見て自然になるよう、様々な処理が行われ、記録メディアへ保存されます。
同時に、ミラーレスカメラでは、画像処理エンジンから、電子ビューファインダーへも画像がリアルタイムで送られ、カメラがとらえた映像を見ることができます。
それぞれの部品の仕組みも今回説明したいのですが、部品一つ一つで1記事になってしまいますので、次回以降詳しく説明していきます。
光の流れを変えることで、意図した表現に
上で説明した、絞り・シャッタースピード・撮像素子(主にISO感度)や、レンズや画像処理エンジンの設定を変えることで、写真表現を自在に操ることができます。
特に、絞り・シャッタースピード・ISO感度の3つはお互いに相関関係にありますので、撮影するうえで常に頭に入れておくべき項目です。
次回は、絞り・シャッタースピード・ISO感度解説をしてきます。
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